LOST IN TIME TOUR 2010〜2011 "LOST & FOUND" @梅田シャングリラ

ロストを観るのは一年ちょっと前にあった、同じシャングリラでのワンマン以来。
その時のレポ)↓
http://d.hatena.ne.jp/lost916/20091016/1255709334


先日あった24時間Ust↓で、自分の中のLOST熱が上昇していたこともあり、
http://www.ustream.tv/channel/lost24h#utm_campaign=twitter.com&utm_source=6280687&utm_medium=social
本当に楽しみにしていたライブでした。


↓以下ネタばれだらけ、記憶曖昧、MC曖昧、私情たっぷりのレポ。



・いつまでたってもわかりあえない けれど


ちょっとだけ時間押してメンバー登場。
海北さん、髪がいっそうボリュームましててなんだか凄い事に(笑)


なんだか温かな場内の拍手の後、
静まった空気を震わせるように響き渡った、どんな楽器よりも素晴らしい音。
それは、一年前のワンマンと同じく海北さんの声でした。


もう会えなくてもいい そのままの君でいればいい
進むべき道は違っても 僕らきっとまた笑える


「ひとりごと」。一年前に弾き語りで披露された曲。
それがバンドサウンドとなって、紛れもなく今のLOSTを象徴する曲として、響き渡る。
感慨深いものがありました。
特に、曲の終盤、海北さんがマイクから離れて
「聞こえているかい?」と。
生で声が伝わってきた声と、そこからの盛り上がり。
高揚感と一緒に、自分でもよくわからない感情がこみあげてきて、胸が詰まりました。



曲が終わって、海北さんMC。


『こんばんは、LOST IN TIMEです。
 今回アルバムをリリースして、本当に不安で…
 みんなに届くのか、聴いてもらえるのかどうか、
 ライブに人が来てくれるのかどうか…
 だから、今ここから見える光景が、嬉しいです。ありがとう。
 みんな来てくれてありがとう。』


『拳を上げたい人は思いっきりあげて
 目を閉じたい人はしっかり閉じて
 それぞれのやりかたで最後まで聴いてください。』


うー。もうなんだか最初っから、
終盤戦のようなメッセージ溢れるMC…。ずるいなぁ。



続いて、「青よりも蒼く」、この季節にぴったりの「柊」
「勲章と傷」、とたて続けに演奏。
勲章と傷も、ひとりごとと同じく一年前に弾き語りで演奏していた曲。
その時の海北さんの言葉がこれ↓


「わかりあいたいって気持ちは、
わかりあえないじゃないかって思ったところからはじまる。そう思うんです。」


まさに、その気持ちから始まって、出来あがったアルバム、そしてツアー。
その思いが今ここにあるんだな、と、改めて強く感じました。



・独り言になんてしない


再びMC。しぼりだすように、真剣に話す海北さん。


『今回アルバムができて、
 いろんな人に会って、「おかえり」って言われることが多かったんです。
 でも、それはこっちが言いたいことで。
 ライブに来てくれる人…それは昔から支え続けてくれる人も、
 新しくLOSTを好きになってくれた人も全部。
 みんなに、ここを「ただいま」って言ってもらえる場所にしたいな、と。
 そんな気持ちにぴったりの歌があったので、歌います。』


そして「合い言葉」
「独り言」になんてしない。と歌われるこの歌。
そう、ひとりごとだけれど、「独り」じゃない。
しっかり、ここに居る人たちに届いているよ、と言いたくなりました。


ほっとするような余韻から、
「イロノナイセカイ」
LOSTの音楽に出会った頃が思い出される曲。
当時と今ではLOSTは変わったけれど、
まぎれもなく嘘の無い、「LOST IN TIMEの歌」を演奏しているということは、
何も変わって無いんですよね。



ここで再びMC。


『今日大阪に来るのに見当違いで早く着きすぎて。
 ライブハウスの前に線路があるでしょ?
 それで線路見たり、上を見たり、ぼーっとしてたの…(笑)
 なんか…もう冬だよ。
 前に大阪でライブやったのがアコースティックで…
 その後ひとりでやったりもしたけど、
 今日ここまで何曲かやってみて、思った。やっぱりバンドで来たいよ。』


その後、『冬にぴったりの曲を』とのことで「忘れもの」
この日は、源さんや三井さん含め、メンバーバンドで演奏することが
本当に楽しいんだというような様子で演奏していたように思います。




・ゲストタイム


他会場でゲストミュージシャンが出ていた、という話を聞いていたので、
この日もあるのかな?と密かに期待してたんですが、やはりありました。


『次の曲は、3人でもできるっちゃできるんだけど、どうしてもアコギの音が欲しくて、
 各地の友達にお願いして、半ば無理やり出てもらうことになって…(笑)』
とは海北さん談。
そして、大阪のゲストはSOUTH BLOWのセキシン(碩 真也さん)さん。


海北さん『さっきリハでセッションやったんだけど、凄く良くて。…ハードルあげてる?』
三井さん『いや、ちょーー↑良かったよ(笑)』


なんてやりとりもありつつ…
「ニジノシズク」
満面の笑みでアコギを鳴らすセキシンさん。それにつられるように、
他の3人も笑顔で、音が踊っているような感じの演奏でした。



・アコースティック&ピアノタイム


薄暗闇の中、アコースティックにセットチェンジ。


『僕等が静かにしてるからって静かにしなくてもいいんだよ?
 と思うけど、無理だよね…それは無理だということを最近学んだ。
 この喋りのトーンで、静かになったら…そりゃ黙るわ。』
何故か卑屈な海北さん(笑)


準備が整い、
3人揃った綺麗なコーラスから始まったのは、「一つだけ」
個人的にアコギアレンジが好きな曲上位なので嬉しかったです。


続いて、
『僕等は大人になるにつれて強くなるんでしょうか?
 …本当は、大人になるにつれて臆病になっていっているのかもしれない。
 全ての片想いに。』
と前置きして、「グレープフルーツ」
24時間Ustで録音していた新曲。
この胸の中だけ、というフレーズに、フラカンの曲を思い出したり、
片想いの相手を脳内で音楽に変換してみたり(笑)、いろいろなことを考えながら聴きました。


「進む時間 止まってた自分」では、
海北さんがピアノ、三井さんがブズーキ(ギリシャアイルランドで主に使われている楽器とのこと)
での演奏。三井さんが鳴らす弦の音がとても心地良かったです。


曲が終わると、今度は三井さんがベースに持ち替え。
『僕はずっと歌を歌いたいし、音を紡ぎたい、と思うけれど、
今日という日は今日しか無くて…明日のことなんて約束できないし。
わからない。それでも僕は、夢を見るんです。』
そして、「夢」
悲しげで、それでも前を向こうとする旋律。
その音を包むように広がる歌声の優しさが印象的でした。


三井さんがギターに戻り、海北さんピアノのまま、軽くMC。
『次の曲は、初めてピアノアレンジを大阪でやったのが6年ぐらい前…
 バナナホールがあった頃で。バナナホールって、周りがゲイバーだらけで(笑)
 それでバナナホールって、狙ったのかと思ってたら、本当に狙って付けた名前と聞いて、
 さすが大阪!と(笑) …あ、みんな引き笑いしてる(笑)』


し、知らなかった…(笑)
そんなのんびりムードでしたが、
「声」というタイトルコールを聞いて
個人的に一気に気持ちが張り詰めました。
数年前、自分が初めて聴いたLOSTの曲。それが「声」でした。


誰も来る事のない
場所から 僕は願っている
華やいだあの季節のような
場所から 僕は願っている
大声で
大声で


終盤のライブアレンジ、そして
「ぼくはこれからどこへ行こう」というフレーズが今も耳に残っています。




・明日を探してる


ここらは再び海北さんベースのいつものバンドスタイルに。


『僕等がいくら逃げようとしても
 僕等は自分の名前から離れる事はできません』
との前置きから、「その名前を」
新譜の曲の中でも1、2を争う好きな曲。
シュプレヒコールのその真ん中で 誰の声も届かない」という歌詞に、
LOSTのこれまでのことを思い出してみたり。
でも、この日のお客さんの「声」は、メンバーにしっかり届いていたんじゃないかと思います。


続く、「スピンオフ」
では、バンド感溢れる気持ちの良い演奏が炸裂。
LOSTのライブで、感動したり気持ちが高ぶるのはいつものことですが、
「このバンドかっこいい」と思ったのは初めてかもしれない(失礼 笑)。
特に三井さんのギターが素晴らしかったです。
目を閉じながら聴いていた自分も、この時ばかりは三井さんの手元から目が離せませんでした。


ここで突如、源さんドラムソロタイム。
楽しそうにリズムを刻み、跳ねるように音を鳴らし、
低音を響かせ、最後に高速でスティックを叩きまくり、
終わり…かと思いきや、また最初から。以下パターン変えながら繰り返し(笑)


会場が笑と興奮に包まれた中、ほんとの最後の音が鳴り止むと同時に、
源さんの掛け声もと、「ココロノウタ」へ。
個人的に、今も昔も一番好きな曲。
「嬉しいと言ってくれる 君が 嬉しい」と、思いっきり歌いあげる
海北さんの表情。それが何ともいえず温かくて、なんだか嬉しかったです。


続く「所在なき歌」の後、
長いMC。(かなり曖昧ですが、だいたい↓のようなニュアンス)


『僕等はなくしたものがたくさんあって、
 忘れたものもたくさんある気がしてるんだけれど。
 見つけたものもあるんじゃないか、って思っていて。
 ひとつ言えるのは、
 僕たちがこうやって音楽をやっていられるのは
 ここにいるあなたのおかげっていうことで。
 僕が探してたものを あなたが拾ってくれていて、
 それをここで受け取れたような気がしています。
 あなたも、もし僕等の歌が届いたならまたライブにに来てほしい。
 嫌なことでも何でも渡しに来てください。』


そして「なくした歌」
これにはぐっとこない方がおかしい…本当にいろんなことが頭を巡る。


『これだけは忘れないでほしい。
 僕らを支えてくれているのはあなただということを。
 あなたは僕等の希望です。』


そして「希望」」。
もうこの流れは完全に反則…
これまでに聴いたどんな希望よりも素晴らしかったです。


気付き始めてる 誰かが待ってる
だから僕は歌う





・アンコールと約束


海北さん、源さん、三井さん、3人入り混じってなんだか和やかなMC。
海北さんがUstの企画で実家から下北まで歩いて帰った話をして、
「大阪まで歩くとどれくらいかかるんだろうね」と言ったのに対して、
周りが「おーーーー」っとなり、慌てて「違う、そういうフリじゃない(笑)」と
必死になる場面も(笑)関西でのライブがたくさん決まって、嬉しいとのことでした。


アンコール1曲目は
「陽だまり」
これも一年前のワンマンで聴いた曲。
今回は、バンドでの体温が伝わる演奏と、ラストのコーラスが凄く良かったです。


『嘘ばっかりでぐたぐだしてたバンドについてきてくれてありがとう。
また会いましょう。約束ね。約束』
そして「約束」
前のライブでも、同じように約束していたのを思い出しました。
約束は、いつか消えてしまうかもしれないもの。
だけどこの約束はきっと、また守られるはず。


ダブルアンコールで、ラストは「線路の上」
1年前のライブはこの曲で始まったんですよね。
冬の線路。LOSTというバンドが持つ空気の象徴のような情景が、
鮮明に頭に浮かんでくる演奏でした。



セットリスト


1. ひとりごと
2. 青よりも蒼く
3. 柊
4. 勲章と傷
5. 合い言葉
6. イロノナイセカイ
7. 忘れもの
8. ニジノシズク
9. 一つだけ
10.グレープフルーツ
11.進む時間 止まってた自分
12.夢
13.声
14.その名前を
15.スピンオフ
16.ココロノウタ
17.所在なき歌
18.なくしたうた
19.希望


en.1


20.陽だまり


21.約束


en.2


22.線路の上





以上、長くなりました…(汗)
それだけ良いライブだったということですね。
だから短くまとめられなかったということですね。です。
…そういうことにしておいてください(笑)


軸となっているのが古い曲だった一年前のライブと違い、
今回は明らかに新しい曲が中心となってるライブでした。
そして、それを思いっきり楽しめた自分がいることが、凄く嬉しいです。
これからも、変わり続けるLOSTの「今」の音を、聴き続けていきたいと思います。


ここまで読んでくれた方、(いるのか…?)
LOSTのメンバーとスタッフ、シャングリラの皆さん、
この日ライブに来ていた方々、本当にありがとうございました。