まだ 心の中に


・「眉山」/さだまさし 読了


歌の方は数曲しかしりませんが、
この人の小説、ほんと好みなんです…
(大学の人らにはおまえは老人か!とか言われましたが)
これも良かったです。


リリイ・シュシュのすべて

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]


普段映画とか全く観ない自分ですが、
この作品は、音楽が深く絡んでたり、周り(ネット上だけど)に好きな人が
多かったりで、ずっと気になっていました。
しかしながらきっかけがつかめずここまで来たんですが、
今回プロジェクト復活ってことで、ようやく観る事に。
(多分生まれて初めてDVD借りました。)


空虚、って言葉がこんなに似合う物語も無い、と感じました。
一瞬の享楽、それが崩れる脆さ。投影、依存、逃避、現実。
物語の核でありつつ、ある意味まったく無関係でもあるリリイという存在。その絶対性と薄っぺらさ。
この映画の存在それ自体が、無力さと虚無的な概念でできているような、そんなイメージ。


観終わって、何か得たことや感慨があるわけではなく、
かといって、「つまらなかった」わけでもなく、
ただ、いくつかのシーンの情景が断片的に浮かんでは消え、
そこに「Lily Chou-Chou」の歌が、その中でうっすらと響く。
自分にとって、そんな「何か」が残る映画でした。