好きな音を鳴らして音楽と呼べばいい


OOPARTS【初回生産限定盤】

OOPARTS【初回生産限定盤】


20周年のバンドとは思えない、この自由な雰囲気。
むしろ10年前のピロウズより若々しい(笑)、そんなアルバム。
ポップでロック。そういう言葉を掲げたバンドは最近多いですが、
やっぱり自分の中で彼らの存在感は別格です。


一曲目、「Dance with God」から、
その力の抜け具合(いい意味で)と、遊び心に溢れた音作りに脱帽。
これを一曲目にもってくるってのが、このアルバムに対するピロウズの気負いの無さを象徴してる気がしました。
「咲かないで 枯れないで 呼吸だけ絶やさないで」って歌詞、さわおさんならではですよね。「咲かないで」ってのが凄い。


そして「YOUR ORDER」。
最初は「変な曲やなぁ笑」って感じだったんですが、
聴くたび耳になじんで離れなくなってくる不思議。
ライブで聴きたくてうずうず。
そしてライブで聴きたいと言えば、「Beyond the moon」もそう。
ちょっと数年前の雰囲気を感じさせる歌詞とメロディ。
ラストのシャウト、ライブで聴いたら絶対ぐっとくるだろうなー、と
勝手に想像して勝手に震えてみたり(笑)


「ジョニー・ストロボ」は短いですが、
まさしく「ストロボのように」、見事に一瞬の輝きが切り取られてるように感じます。
サビで一気に盛り上がる感じもいいですね。
「雨上がりに見た幻」につながる流れも好きです。
「雨上がり〜」は正直ちょっと他の曲からは浮いてる感ありますが、
こうやってどっしり構えたシリアスな曲が
アルバムに入ってくれてると、個人的には安心します。
ポップで楽しいピロウズはもちろん好きですが、やっぱり自分は彼らの持つ2面性に惚れた人間なので。


そしてこのアルバムで一番好きなのが「Primer Beat」。
やっぱピロウズはこうでなくては!と思わせる、さわお節の効いた歌詞が最高です。
自虐に皮肉に希望、そして確かな体温が感じられる曲。
これもライブで聴くのが待ち遠しい!




今回英詞の曲が多かったこともあって、一曲一曲だけ切り取れば、
ちょっと小粒な感じかなーとも思ったんですが、
通しで聴くと、気がついたらリピートしたくなっている、そんな不思議な中毒性があります。
まだまだこれからツアーにむけて聴きまくっていきたいです。


そして、立ち止まらない彼らにこれからも期待、期待、期待。

止まってる時計だって一日に二度
確かな時間を差せるのに
半端に狂っちゃった僕ら
ずっと居場所がない 黄昏てんだ


急ぐよ キミに合わなくちゃ
とっておきのロックンロールを
昨日右脳でキャッチしたんだぜ
くたばる前に届けたくて
迷走中

(「Primer Beat」より)