ROTH BART BARON’S “The Ice Age” TOUR 2014 ROTH BART BARON/長谷川健一/OLDE WORLDE @旧グッケンハイム邸

旧グッケンハイム邸のライブはいつもわくわくします。雰囲気のある洋館の中で、段差も何も無い、手を伸ばせば届きそうな距離から鳴らされる音を聴ける贅沢。こんな素晴らしい空間はなかなか無いと思います。

・OLDE WORLDE


とにかく綺麗な声だと思いました。中性的で柔らかく、包み込まれるようなイメージ。ギターも軽やかですっとしみこむような音色でした。

1曲ごとに曲の解説を含めていろんなことを喋ってらっしゃいました。(ROTH BART BARONの三船さんが言うには「あんなに喋っていたのは初めて見た」ということだったけれど 笑)
中でも面白かったのが彼がベジタリアンだという話。
「僕はいつもツアーで食べるものに困るんですけど、普段は炊飯器を何とかスーツケースに押し込んで持ち運んでるんです。けれど今回は炊飯器を忘れてきて。でも玄米は持ってきてたんですね。その玄米をどうしても食べたいとなって、思い立ったのが、ホテルの電気ポットで何とか炊けないものかということで。これが試してみたら見事に炊けまして。じゃぁうどんも作ってみようかとなったらこれもポットで食べることが出来て。ポット凄いなと。」
…凄いのは彼の発想だと思います(笑)

曲からイメージしていたのとはちょっと違う印象のライブでしたが、心地良かったです。


・長谷川健一

セットリスト

1.海のうた
2.空の色
3.君の街まで(ASIAN KUNG-FU GENERATIONカバー)
4.ユリイカ
5.夜明け前
6.蕾(KUDANZカバー)
7.また明日


今回本当に最前の位置で座布団に座って聴いていたんですが、彼の歌声の響きは格別でした。「空の色」の「明かりは消えても 戦場ばかりではない どこまででも」というフレーズの澄み切った伸び具合は特に素晴らしかったです。

1曲目が終わった時の「男のファルセット対決みたいになってますが」という言葉、言いえて妙だと思いました(笑)

カバーアルバムに入っている「君の街まで」を聴けるとは思っていなかったのでびっくりしましたが、それ以上に驚いたのがKUDANZの「蕾」。こちらはカバーアルバムにも入っていないもので、まさかのまさか。好きなミュージシャンが思いもよらないところで繋がっていると嬉しいですね。どちらのカバーも原曲の良さを残しながら、違和感なくハセケンさんの歌として聴けました。

最後、「また明日」が凄く優しかったです。温かい気持ちになれるライブでした。


・ROTH BART BARON

セットリスト

1.Buffalo
2.campfire
3.化け物山と合唱団
4.春と灰
5.蠅の王
6.氷河期#3(Twenty four eyes / alumite)
7.氷河期#2(Monster)

アンコール

8.アルミニウム
9.小さな巨人


始まる前からもう素晴らしいライブになることはわかってましたが、本当に良かったです。何種類楽器使っていたのかわからない、変幻自在の音の広がり。それが作り出す魔法のような空間。いや、凄い。

特に「campfire」の良さはもう言葉では語り尽くせません。曲が終わった時、圧倒されていたお客さんたちが大きく息を吐くのがわかりました。
そこからの「化け物山と合唱団」のスケールの大きさにも痺れました。

前のライブ時には聴けなかったのでやってくれて嬉しかったのが「春と灰」。ギター1本の音色だけに支えられる緊張感の中、これ以上なく綺麗な歌声が響く始まり。そして鍵盤が入ってからも続く凛とした空気がたまりませんでした。旧グ邸との相性も抜群。

アンコールの「アルミニウム」は前回と同じくノンマイクで。楽器の音に埋もれない歌声、曲の作り。思わずうなってしまいます。
最後の「小さな巨人」は満を持して、という感じで、何年もたくさんの人に歌い継がれてきた名曲かと思ってしまうような存在感がありました。

音源で聴く以上に圧倒的なライブをするバンドだと再確認。本当に幸せな時間を与えてもらいました。