歩き出せよ その夢の中から
・「Ground Disco」/PaperBagLunchbox
- アーティスト: PaperBagLunchbox
- 出版社/メーカー: ワンダーグラウンド・ミュージック
- 発売日: 2011/01/12
- メディア: CD
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「夜空」だと思った。
真っ暗な空間、街灯、冷たい風、浮かぶ星たち。
それらが一緒になって、夜空として踊っている、そんなイメージが頭に浮かぶ。
そしてそれはただの夜空じゃない。
朝〜夕方までの時間、そしてたくさんの思いを飲み込んだ夜。
目に見える全ての色、そして様々な風景に覆いかぶさった空。
そんな夜と空が入り混ざって、危ういバランスでダンスを続けている。
…
と、個人的なイメージが膨らみすぎて暴走をし始めそうなのでここらへんでまとめておくと、
ようするにめちゃくちゃ濃くてすんばらしいアルバムだということです。(アバウト万歳)
1曲目の「Ground Disco」からしてもうなんか凄まじい。
涼しげなのに得体の知れない空気を醸し出すサウンドに、
「ここは愛の爆心地」だとか「とても静かな目をして ゼロ地点にたたずんでいる」だとか、
強烈なフレーズが次々乗っかってくるんですよ、いやはや怖ろしい…。
で、極めつけがサビのラスト、「僕は あふれる」。
あーもう。… あーもう。
さらに続く「アーバンソウル」、「watching you」、
ここまででもうノックアウトですよ、はい。
夜走る
連戦練磨の臆病風
愛しているのは自分だけ
愛せないのも自分だけ
〜
悲しくなれるなら泣けよ
死にたくなるほどに生きて
(「アーバンソウル」より)
あーもう。… あーもう。
4曲目、「キスレイン」は凄くポップだけどやはり一筋縄ではいかない異質ソング。
「ようこそ!狂った世界 送るよ 最高のキスを」
…歌詞だけ見たらなんだこれ、ですね。でも、とっても綺麗な曲。
そして5曲目「VELVET」。
ドラムの重たさ、シンセの音圧、ベースの濃さ、中野さんの圧倒的な歌声、
全部がびっくりするようなバランスで成り立った、真骨頂とも思える楽曲。
いやー凄い。凄いったら凄い。わーわーわー。(←精一杯の表現)
6曲目、中野さんの弾き語り「月のまばたき」でとりあえずひと段落。
ここまでが歌詞カード冒頭に記述されている「side A」。
正直、「side A」だけで一枚のアルバムと言ってもいいような重みと完成度。
そこにあえて加わる「side B」はというと、
こちらはこちらでside Aとはまた一味違った魅力が詰まった曲がきっちり6曲。
初っ端「明け星」。このアルバム全体を通して、一番外側へ開かれた感覚のある楽曲。
これで窓を大きく開けておいて、ある意味このアルバムを象徴している曲、「オレンジ 2011 ver.」へ。
過去曲のアレンジ…ライブで披露していたとはいえ、それはもう驚くほどの大幅なアレンジ。
根っこは同じだけれど、変わろうとしているバンドの姿が、これでもかと伝わってくる。
その流れにのっかって、「マイムを踊れ」「ストップ」
と、憂いを帯びつつもポップなダンスミュージックが続く。
ここらへんの雰囲気はPBL以外のバンドでは味わえないんじゃないかと思う。
いやー凄い。凄いっt(以下略)
最後の2曲、「帰れない街」「運命の丘」では、
それぞれmusiquo musiquaの田村さん(Guitar)、チーナの柴さんと林さん(Violin、Contrabass)を
ゲストに迎えて、深みたっぷりのラストを演出。
轟音による迫力とはまた違った、ゆっくりと溶けてゆくような濃厚さ。
一周聴き終わった時、脱力して抜け殻みたいにぼーっとしてて、
気が付いたら夜が明けてた、なんて思い出ができました(笑)
そんなわけで、内、外、両方を向いた新しい可能性を見せてくれる
素晴らしいアルバムでした。 …と締めたいところなんですがまだ終わらない。
・「PBLive 1」
今回の3rdアルバム、買ったらおまけとして↑の題を冠した
ライブ盤(2ndアルバムリリースツアーから録音したものを収録)がDLできるのだけれど、
これが「おまけとか言ってないでパッケージにして売れよ」と言いたくなる代物。
全9曲。合計収録時間、Ground Disco本編よりも長いし(笑)
てなわけで、PaperBagLunchboxの3rdアルバム、
「Ground Disco」(約2500円)を買うと、
すんばらしい楽曲が合計21曲も聴けてしまうわけなんです。
凄いね!これは!買うしか!ないね! (深夜につきテンション壊れててすいません)
ぐだぐだになってしまいましたが、自分はこのアルバム及びPBLの音楽が本当に大好きです。
はまって日が浅く、多少盲目的になってるであろう部分を差し引いても、
これだけ自分の心に響いてくる音楽にはなかなか出会えないと思います。
この素晴らしい音楽が、より多くの人の、より深いところへ届きますように。