諦めが消し損ねたこの空 彼方を想う


The Light

The Light


手を伸ばして届きそうで届かないような、瞬間の風景。
その距離感と、そこに存在する、もどかしいけれど温かい気持ち。
そして、音の向こうに広がっている、空。
最初は正直歌詞が頭に自然に入ってこなくて戸惑いがあったんですが、
何度も何度も繰り返し聴いているうちに、頭の中にすっと空の映像が浮かんできて、
それからは聴くたびに言葉の一つ一つが自分の中にしっかり入ってくるようになりました。


久々に1曲ずつ…
(歌詞引用しまくりな上に、自分の勝手なイメージ&解釈入りまくってるので
まだ聴いてない方、しっかり聴きこんでない方は注意)






・SHINE A LIGHET
このアルバム全体に言えることですが、まずその柔らかい歌い方と高音の響き具合にびっくり。
「独りで笑えたことなんてないさ」のフレーズがぐさりと刺さります。
「愛した」なんて自分が一番苦手とする類の言葉が、だんだんと耳になじんでくるのが不思議。
1曲目なんですけど、アルバム全部通して聴くと、最後にこの曲に戻って聴きたくなったりします。


・間違い探し
「肩甲骨が痛むよ」とか「破茶滅茶」とか、言葉の選び方が面白いです。
最初はそういう単語や曲の展開の面白さに気を取られてたんですが、
歌詞カードじっくり見ながら曲全体を眺めるような視点で聴いてたら、
また違った重みのある魅力が感じられて良かったです。
「間違い探しを繰り返して 理由もなく別れてゆく」


・just my pain 
本領発揮!って感じの曲ですね。この異質感(笑)
まず「恋人たちの影が 無駄に綺麗」にやられました。
もう自分の中で流行語になりそうな勢いです「無駄に綺麗」。
さらには「誰か孤独拾いませんでしたか?静かで綺麗な僕だけの宝物」
「もしもあなたが愛と間違って拾ってしまったなら すぐに捨ててほしいよ ゴミだよ」
ゴミだよって。しかも割と爽やかに歌い上げる門田さん…こっから先の展開、ほんとたまらないです。
流れていった、ことも。慣れてたのに、という思いも。
「ただ過ぎてゆく全てをため息で送ろう」


・ALL BET
一番わかりやすくて、素直に良いと思える曲だな、という印象。
聴いていてふっと肩が軽くなるような感覚があります。
「君の荷物が重いなら 愛や夢を少し零せばいい
後は賭けるのさ 楽しい方に全部を 何も大げさな答えが全てじゃない」

この「大げさな答えが全てじゃない」ってフレーズがお気に入り。風に舞う。風に舞う。


・Your Song
「いつの間にか幕が上がってた舞台で台詞忘れ 閉じた目」
で始まるこの曲。
「諦めが消し損ねたこの空 彼方を想う」
この文章のタイトルにもした、↑の言葉の情景が頭にすっと浮かんできたとき、
曲を聴いている自分の視界がすっと開いたように感じました。
アコギの音が心地良いです。ライブで聴くのが楽しみ。


・倖
ゆき。
言葉の選び方も、メロディも、とても綺麗な曲。
…なんですが。。門田さん…めんどくさい曲を作ってくれましたな(苦笑)
まぁ歌詞がなんというかこうそのあの(ry
正直自分の中ではまだどう位置づけたらいいのかわからない曲です。


・慰霊堂清掃奉仕(Happy Birthday!)
口ずさみたくなるようなテンポの良い曲ですが、
歌詞を深読みすればするほど、凄く悲しい曲な気がしてきますねこれ。
「大人たちは「愛」という名の斧振り回し殺しあうから」という歌詞が
強烈ですが、そのあとに 「ルルル〜」と続くあたりがまた何とも…
ちょっと門田さんの解説がほしかったり。


・Mrs. Vertigo
4人だったころの雰囲気を一番残してる曲ですね。
思わずにやりとしてしまうような。
特に「ドン引きの朝日に唾を吐く」の部分がいいです。
ドン引きって言葉を気持ちよく響かせる曲は珍しい(笑)



・飛行記録(フライトレコード)
これもまた爽やかでどこか哀しい感じのする曲。
サビの音が印象的です。どういうふうに鳴らしているのか気になる。
「大切なことをいつも言えなかった 君が残した僕でもう少し生きる」
このフレーズをどう受け止めるかで、響き方が全く違ってくる曲だと思います。
一行に込められる力って本当に大きいなぁと感じる次第。


・二匹の猫の為のエチュード
インスト。
アルバム通して聴くときに、
これが一曲挟まってることで落ち着きが良くおさまってる感じがします。


・singing in the rain
歩いていたら雨が降ってくるんではないんですよね、この曲。
「どんな理由で出かけよう 雨の中を」
で、それにも関らず、傘がなくて冷たい、という。だから手を繋ごうという。
平気でこんなこと歌うGDHMが鬱陶しくて大好きです(何
あえて哀しいことを避けずに進んでくような。
「どんな哀しみが僕を待っていてようとも それがどうしたよ それがどうしたよ」
それがどうしたよ、の繰り返しがたまらなく良いです。
当たり前にあっけなく爽やかに、できる事。


・自由も孤独もいらなくなって
歌詞が好みすぎて、個人的に「うあああああ」状態が続く曲(謎)
全文引用したい(笑)
この曲でも自分は空が思い浮かびます。
それは「間違い探し」でも、「Your Song」でも、「飛行記録」でも同じ、
寂しいけれどどこまでも続いていくような澄んだ空。
「「ありがとう」だけ言いたくって「ありがとう」だけ言えなかった
 何かを捨てたこの場所 やけに高い青空」

すーっと空の向こうに消えていくようなメロディ。でも音楽は止まない。
自分にとって大事な一曲になりそうです





長々と自分の曲に対する想いをぶちまける盲目的文章を書き連ねてしまいました。
読んでくださった奇特な方々、ありがとうございます…


これでけ褒めまくっておいてなんですが、
自分のGDHMに対する期待は、これではまだまだ、と思うくらい大きいです。
門田さんは、陽だまりを越えてリリースのインタビューで
「この曲は、言ってしまえば俺とタケルの反撃の合図。」と語ってましたが、こんなもんじゃ反撃は足りないでしょう。


Most Beautiful〜で4人GDHMが作り上げた風景、
それを背景としてすっぽり包んでしまえるような、
そんな素晴らしい瞬間を音として奏でてくれることを、一人のリスナーとして期待しています。