矛盾と、言葉と、人と、感情


「良い人」も「悪い人」も「優しい人」も、存在しない。
何度も書いた気はするけど、心の底から、深く、そう思う。
全ての人はそんなに単純にできていないし、同じように
たいていの物事は一言で表せるようなものではない。
けれど、それではいつまでたっても不安だから、人はどうしても物事を単純化して
わかりやすく考えようとしてしまう。


いや、「考えようとしてしまう」と書いたけれど、
多分そう考えた方がうまくいくこともたくさんあるんだと思う。
或いは圧倒的にそういうことの方が多いのかもしれない。
それができなくて、いつまでも迷ってしまう自分がいる。


高校生の頃から、「嫌いな人」という概念が、自分の中で存在しなくなった。
「苦手な人」はいくらでも存在するし、嫌いな言葉、考え方もたくさんあるけれど、
ある特定の人を「嫌い」だとはどうしても思えない。
問題なのは、その逆もしかりということで。
ある人の考え方、話、表情、つくるもの、それらは「好き」だと思えるけれど、
心の底から信頼できる人って、今のところ自分の中にいない気がする。


別に人間関係避けてるわけでもないし、一緒にいて楽しい人たちは
そこそこの数いるけれど、いつもどこかで何かを疑っている、
そんなよくわからない苛立ちや不安と隣り合わせで人と接していて。



この妙なもやもやっとした気持ちが、消えてくれる日はくるんだろうか。
その時、歌は、どこにいるんだろう。