People In The Box  【Bird Hotelリリースツアー】 02/07(sat) 心斎橋CLUB QUATTRO

彼らを生で見るのは初。しかもワンマン。
いろんなことを考えながらクアトロへ。


客の入り具合はそこそこ。
最初女性率の高さと年齢層の低さにちょっと驚きましたが、
開演が近くなると共に男性陣も増えてきた感じでした。
他のバンドに比べて後ろの方で観てる人が多いかな、という感じも。


Peopleのイメージに合ったいい感じのBGMを、コーラ飲みつつ(酒弱いのです)
目を閉じてゆったりと聴いていたら、いつの間にやら開演時間。以下ネタバレ注意。




メンバーは笑顔でゆっくり登場。
ドラムの山口さん、やたら目立ってる(笑)


三人が定位置につくと、ボーカル波多野さん、おもむろに一枚の紙を取り出す…
そして静かに始まったのは詩の朗読でした。
ベース、ドラムが静かに鳴らす音に色を添えられつつ、淡々と、
時々抑揚をつけながら喋る波多野さんの声が、場内にゆっくりと響きわたります。


この時点で個人的にはもう胸騒ぎというかなんというか、緊張と期待感が合わさって破裂しそうな風船状態に。
「飛行機はあなたの心に降りようとして着地点を見つけられずに空をさまよう」的な
ニュアンスの箇所が特に印象的で。この詩全文どっかに発表してくれないかなっていうぐらい好みの言葉達でした。



終わり方も静かで、波多野さんが「ありがとう」と言って場内拍手。
なんともいえない不思議な雰囲気に包まれる中、三人が向きあって、一呼吸。…したかと思うと、
次の瞬間には、それまでの静けさを切り裂くように、ギター、ベース、ドラムそれぞれの音が一斉に鳴り響きます。
そのまま流れるようにして始まったのは「完璧な庭」

ほどいた糸のかわりに紡がれる
長い内臓や言葉 呼吸もぜんぶ
ほおらね 地球が震えて歌い出した
振るい落とされてしまいたいな


生で聴く波多野さんの声はCDより柔らかい感じ。そして三人が鳴らす音は、何か鋭いガラスのような緊張感をもった音。
時々割れながら、それでも調和は崩れることなく鳴り響く、そんな音が広がっていくのを感じました。


曲が終わり、山口さんがやたら高いテンションで挨拶をして(この人、面白いですな)
場内の緊張感が笑いとともにいったん消え去った…と思っていたら、また間髪入れずに演奏が始まります。
MCと曲の始まりとの間が短い割に、ほんと一瞬で空気が変わるので、
なんだかライブの間中気が抜けない感じでした。
けっこう笑ったりもしたんですけど、それでも。



そのまま立て続けに三曲。
「レントゲン」、のあたり特にでしたが、波多野さん、高音部分がけっこう苦しそうな感じ。
でもそのかすれ具合が逆に好きだったり。他バンドの時もよく思うのです。声かすれながらも必死で歌う姿がいいなって




一息入れつつ波多野さんMC。時々つっかえながら、ゆっくりと。
「12月にBird Hotel、というCDを出しまして、今ワンマンでツアーをやってるわけなんですが…
 このツアーが終わる時に、Bird HotelというCDが完結します。だから、心して聴くように」


心して、のあたりで若干笑いつつ。
続いてベースの福井さん。こちらはつっかえるどころか時々止まりながら(笑)グッズ紹介。
「Tシャツと、タオルと、缶バッジと………。」「ステッカー!」「そう、大きいステッカーをね」
てな具合に客にツッコまれてました。




続いて始まる「海抜0m」。個人的に同じ歌詞が続く曲ってあまり好きじゃないんですが、
peopleの場合は別。サビのリフレインがほんと癖になります。

存在はスプーンの上
スープのなかで笑った
全部は食べきれないかも


もう一度そこに行きたい、だけ
もう一度そこに行きたい、だけ
もう一度そこに行きたい
居させて君の街に

また同じように一気の流れで三曲。
もうこのあたりで既に、ライブハウス全体が「彼らの作った箱」で、
その中で反響する音を聴かされているような気分になってきました。
よくライブは客とメンバーが一緒になって作る、と言いますが、
今日のライブは、メンバーが作った世界に客側が引っ張られていくような感覚で。
一曲ごとに物語が箱の中にあらわれて、その中で揺れている…
そんな感じで「She Hates December」までが終了。



ここでMCが入ったんですが、ここらへんから(ひょっとしたら↑の部分も)
MCで何言ってたかの順番があやふやなので、最後にまとめようかと思います。




古い曲を、と波多野さんが言って、
「ブリキの夜明け」。


静寂と、夜の匂いが全体を包んで、その中で三人の音が鳴り響きます。
そしてその最後の一音がぷつりと途切れて、
また完全な静寂に…と思っていたら、間髪入れず、遠くからのように優しく響く声。

みんな生きるのが好き?
死んだことないから


このつなぎかなりぐっときました。
「サイレン」「犬猫芝居」「月曜日消失」と濃い世界観の曲が続きます。


犬猫〜も相当印象的でした。
「ほんの数秒でみるみる弱って 虫の息になることもある」の部分、
リズム隊が止まり、波多野さんのギターと声だけが鳴り、一瞬時間がスロウになったような感じでそれが響いて、
その後の「でもそれも今夜までさ」で一気に動き出す。
たまらない感覚を味わいました。噛みしめようとしても逃げてしまいそうな、そんな得体のしれない熱。



そして、「泥の中の生活」。まぁある程度予想してましたが、暴れっぷり半端なかったです。
一回目の暴走の後、また冷静な状態に戻って演奏できるところも凄い。
いちたすいちたすいちたす…のところとかぞわぞわっと突き上げられるものが。
最後は波多野さんギター放り投げてマイクスタンドぶっ倒しておりました。
アウトロの間に何事もなかったかのようにマイクの位置を整えるスタッフ、大変だなーと思ったり(笑)




ここで一端MC。で、こっからもうクライマックスへ向けて一直線。


一瞬新曲かと思うような熱のこもったセッションの後、
「水面上のアリア」、「始まりの国」、「ペーパートリップ」と、怒涛の波。
水面〜の絞り出すような声、始まり〜の間奏の圧倒的な熱量、ペーパー〜の生み出すおかしな空。

全部溶けてしまえばいいのに
一丁目から二十七丁目まで


街に飛び散る光と闇
インクまみれの夢を見ようよ
空はなんて深い落とし穴だ
終わりの始まりを見たいな


静かに高音で揺れるギター、重くリズムを刻むドラム、低くうねるベース、
その落ち着いた柔らかな音たちにのせて、漂うように響く波多野さんの声。


それが、三人が同時に小さく腕を高く上げるのを合図にして、一気に轟音へと変化していく。
そしてその轟音、というのが、凛として時雨や9mm等とはまたタイプの違う、轟音にもかかわらずきれいな音で。


静と動、なんて表現じゃ生ぬるい、三人が作り上げる音の広がり。
聴いてるこっちはその変化に、意識は覚醒しっぱなしな状態でした。




そして本編ラスト、来ましたよ胸騒ぎのもと、「ヨーロッパ」
淡々と、それでいて上がったり下がったりしながら流れていく演奏ですでに高まる鼓動。
そして始まるリーディング部分。
いや、これがほんと良かったです。
波多野さんの間の取り方。徐々に徐々に盛り上がっていく3つの楽器の音。


「やぁ、みんなどこから来たんだ?」の繰り返しから先の迫力は圧巻。
ギターの音量が上がるとともに、だんだんと熱の入る声。
「レイトショーを観に行こうぜ」から先は
波多野さん、半ば叫ぶように声を張り上げていました。
そして最後の全力でかきならす、叩きつける、ギター、ベース、ドラム。
君の胸騒ぎが本当になるといいな。って、なってしまいますよほんと。





そんなこんなでヨーロッパが残した余韻に浸りつつ、アンコールの拍手。


この拍手の時間が自分は好きです。
最初ばらばらだった音が、ゆっくりと時間をかけて一つになっていく、
そういう共有空間ができている不思議。ライブの良さの一つだと思います。



そして、割と長い間を抜けてメンバー再登場。


「新曲やります」と言って
始まった曲、動きの激しい面白い曲でした。
歌詞の断片は覚えてるんですがなんか間違えてそうで怖いので書きません(笑)
例によってサビの繰り返し部分が印象的でした。


続いて、「Alice」。この曲も中毒ソングですな。まっさかさまさ。まっさかまさ。
聴いてるうちに立ってる感覚がおかしくなりそう。まっさかさまさーーーー。



再び去るメンバー。でも客電はつかない。
事前に他会場であったのを知ってたので驚きはしませんでしたが、
それでもやっぱり嬉しい、ダブルアンコでした。


今度こそ、のラストは、「鍵盤のない、」
これもラストの語りと後奏がもう…


バラバラになった鍵盤が、演奏する彼らの周りに散らばって
音をたてている、そんな映像が何となく頭の中に浮かんできました。
そして最後の一音が消えて、拍手が起こるまでの一瞬の間に伝わってきた感覚。
これがほんと言葉では言い表せないぐらい良かったです。


僕は
街のかかとに住んでいる
いつも前触れもなく
ゆっくりと倒れていく
切られた肉の匂い
崖を旋回する鳥
雲は絶えず姿を変える
もう恐れなくていいよ
君には眠りが訪れる
夢は
見ない
君の心は鍵盤のように バラバラになってしまったからね


そんな訳で、本当にいいライブでした。まぁ、良くなかったライブなんてほとんど経験無いですけど(笑)
でも、終演後の余韻の心地よさと、世界観に引き込まれる感覚は、なかなか他では味わえないものがあったと思います。
最初にGood Dog Happy Menを観たとき以来かなぁ。こういう感覚。
どうせならもう音源にある曲全部やってほしかったとも思いましたが、それも贅沢な話ですな(笑)



以下セトリ&MC断片集です。思い出したら随時追記。



01. 完璧な庭


02. ユリイカ
03. 見えない警察のための
04. レントゲン


05. 海抜0m
06. 昏睡クラブ
07. 6月の空を照らす
08. She Hates December


09. ブリキの夜明け
10. サイレン
11. 犬猫芝居
12. 月曜日消失
13. 泥の中の生活


14. 水面上のアリア
15. 始まりの国
16. ペーパートリップ
17. ヨーロッパ


en1.


18・ 新曲
19. Alice


en2.


20.鍵盤のない、





以下断片MC.
順番適当です。



・山口さん「たこ焼きキングって知ってる?……知らないの!!??」
     「いやね、ホテルのフロントでたこ焼き食べれるところないかっていったら、
      受付の人が『たこ焼きキングというお店がございまして…』って真顔で(笑)ちょっと面白かったなって話です。」


↑店の名前間違ってるかも。記憶曖昧



・山口さん「Bird Hotel持ってる人手あげてー」「9割ってとこですねー」


・山口さん「さっき福井が頑張って紹介してましたが…まだあるんですね」
     「ここにpeople in the box 携帯着せ替え素材ダウンロードというチラシがあるんですが…
      みんな手元にありますよね?……ないの!!??」「ないならまぁ、あとで配られるのかな」
     「対応機種というのがありまして…DOCOMOAUのみ、ソフトバンクは残念ながら対応外となってます」
 福井さん「何で駄目なんだろうね。俺ソフトバンクなのに」
 山口さん「…ソフトバンクはね、もういらないんじゃないですかね」

 
この後今度は「ソフトバンク使ってる人手あげてー」「二割ってとこだな」という流れになりました。ソフトバンクユーザー哀れ…



・波多野さん「…なんだか、さっきから思ってたんですけど。……皆さん、関西人っぽくないですね。」
       「なんか違いますよ…その、コテコテの関西とかな感じじゃなく、、…君たち関西人じゃないでしょ!」


無茶苦茶w



・山口さん「また大阪に来るライブ予定が決まってまして…(中略)
      4月22日には、オードリーとやります! …あ、芸人じゃなくてね(笑)」
     「スウェーデンの人たちで…スウェーデンて何語?英語?」
     「スウェーデン語?」「…スウェーデン語なんてものが存在するとは…」


あと、山口さんがなんかモノマネしてましたが、テレビ全く見ない自分にゃネタがわかりませんでした…
まぁ雰囲気で笑えましたけど。誰か行ってた人いたら補足お願いします。



・「ラビットホールツアーのころは、ピープルの客は10人ぐらいしかいなくて…
  それがいまやこれですよ。ありがとうございます              」



思い出したら追記予定。