People In The Box「Wall, Window」「聖者たち」release tour @大阪 umeda AKASO


久々のAKASOは満員状態でした。

以下セトリその他ネタバレ注意













初っ端、波多野さんの歌声がびっくりするぐらい綺麗に空間に響き渡って、久々にちょっと震えるような感覚がありました。
聴こえてきたのは初めて聴くメロディで、「wall window きみの窓には誰もいない」というフレーズ。何だか覚えがある歌詞だなと思ったら、波多野さんのブログに書かれていたものでした。↓
http://peopleblog.jugem.jp/?eid=496

これ以上無いオープニングだったと思います。音源化してほしいぐらいだけど多分しないんでしょうね。


繋がった流れのまま「天国のアクシデント」へ。ここはちょっと不思議な感じでした。個人的にはここを飛ばして「翻訳機」の方がしっくりきたかな、と思います。まぁ好みの問題でしょうが。


その「翻訳機」。ライブだと鍵盤の音が無いのでまたちょっと雰囲気違うんですが、透明感は共通しています。

カーテン揺れる 踊る光

このフレーズに象徴されるように、音の中に薄い光と風が流れているような雰囲気。「かなしいね」という言葉がその中にくっきり浮かびあがってくるのが感じられました。


そしてアルバムの流れと同じく「影」へ。この曲はライブ向きですね。久々にこういう面白い展開の曲が出てきて嬉しいです。


さらに「さまよう」。この辺好きな曲ばかり並んでいて心地良かったです。夜の空気がたまらない。


会場内がざわついたのが「水面上のアリア」。一気に熱気が高まったのがわかりました。そんなに聴ける曲ではないですよね。波多野さんの歌い方はこの曲が世に出た頃からだいぶ変わっているのに、違和感が無いのが不思議です。


この日聴いて一番印象が変わったのが「手紙」。この曲の歌詞こんなに良かったんだなぁと今更ながらに(笑)
歌詞全部引用しないとなかなか伝わらないものがありますが、とりあえず一番好きな部分を。

ひとが居場所を守っている
音楽が手のなかで光るように


「ダンス、ダンス、ダンス」は割と定番になりつつありますが、何度聴いても新たな発見があって良いです。最後の「ひとりなかよく踊りましょう」がたまらなく好き。


「花」から波多野さんが鍵盤に向かう編成で4曲。「もう大丈夫」は音源発売前にもライブで聴いて強烈な印象が残ってましたが、やっぱり良いですね。いろいろ見透かされてる感じで怖さもありますが…


そして鍵盤曲と言えば「月」。綺麗でしたね。ライブハウスに夜の光が差し込むよう。息遣いがはっきりと聞こえてきました。

ぼくの話す言葉は同じだけど
こころがわからなくなったよ
通じ合わない言葉に意味は無いね
やめよう ドライフラワーに水をあげるのは


「『水曜日』/密室」で場内また一盛り上がり。終盤の展開の良さは今更語るまでも無いですが、そこから「聖者たち」への繋ぎもなかなか良かったです。


そして「アメリカ」。何だかこの曲が(アンコール以外で)ライブの終盤にくるのが意外で「おーっ」となりました。
で、これがまた素晴らしく良かった。
「ピアニスト泣き出した 君だけなのさ 僕の呼吸をデザインできるのは」「僕らが抜けたトンネルはいつだって ただの銃口だから」
どうやったらこんなイメージが言葉にできるんですかね…凄い。ベースもギターもドラムも最高の三角形でした。


本編ラストはアルバムと同じく「風が吹いたら」。途中から拍手が入って最後まで。peopleのライブでは今までに無い雰囲気の終わり方で新鮮でした。いつものことですが音源よりも数段、熱のこもった演奏。そこにかぶさってきた大吾さんの拍手の煽り方は、正直雰囲気壊れた感じがして残念でしたが(苦笑)、その拍手によって生まれた空気には不思議な高揚感が感じられて良かったです。




アンコール。まず、一足先にクリスマスをということで「リマ」。
剥製のサンタクロースが出てくる曲をクリスマスソングとして扱って良いのか…笑


続いて「あなたのなかの忘れた海」。
「すべてはつくりものさ」という言葉は、波多野さんが歌う詞の軸の一つになっている概念だと勝手に思ってるのですが、この曲ではその後に続く「それでなにがいけないのさ!」「それでもいきていくのさ!」という言葉が本当に強く響きます。



ラストは「ニムロッド」。「あなたのなかの〜」からこの曲という流れはちょっと反則だなぁと思いました。

あの太陽が偽物だって どうして誰も気付かないんだろう

このフレーズの存在感はやっぱり自分にとって圧倒的。ちょっと泣きそうになりながらの終演でした。



とはいえやっぱり「ヨーロッパ」あたりの曲が聴きたくてダブルアンコールを願いたかったのですが、それは無理な話。少し寂しく思いながらも、余韻を噛みしめながら帰路に着きました。




・セットリスト


1.Wall, Window
2.天国のアクシデント
3.翻訳機
4.影
5.さまよう
6.馬
7.おいでよ
8.水面上のアリア
9.手紙
10.あの頃
11.ダンス、ダンス、ダンス
12.花
13.もう大丈夫
14.物質的胎児
15.月
16.水曜日/密室
17.聖者たち
18.アメリ
19.風が吹いたら

アンコール

20.リマ
21.あなたのなかの忘れた海
22.ニムロッド


MCタイムはたくさんありましたが今回は割愛。
3つだけ…波多野さんが「最高の曲達を最高の演奏で届けたい」と仰っていたこと、大吾さんは相変わらずのハイテンションに磨きがかかっていたこと、福井さんがいつになく積極的に喋っていたことを記しておきます。