門田匡陽 『Nobody Knows My Name レコ発ワンマン』 @新代田FEVER



3回目の東京遠征。
1回目はシロップの最初で最後の武道館。
2回目はピロウズの20周年武道館。
ほんとは次にPBLのワンマンが来るはずだったんですがそれは叶わず…(涙)


そして今回。


前2回にも劣らない、大切な記憶になりました。
(以下、無駄に長いです。小学生的感想文です。)





10分ほど押してこの日のメンバー登場。
門田さんが客席に背中を向けて、大地さんと目で合図。
1曲目はやはり「Blue Moon Shadow」でした。


あふれる想いを 夜の数を Blue moon shadow 歌おう
語り部たちが沈黙してもページを捲る風の音


このフレーズに込められた、たくさんの気持ちと、
浮かび上がってくる、これまでの門田さんが鳴らしてきた音。
それが夜の空気の中に溶け込んでいく。
新たに始まる物語のプロローグのような、予感を抱かせる演奏でした。



続いて、「Alice」「Ghost」、「I LOVE YOU」と、
ソロアルバムの中でも癖のある3曲をぽんぽんぽんと披露。
どれもアルバムでは門田さんと大地さんだけで録ってる曲だけに、
バンド版ではけっこう雰囲気違って聴こえました。(特に「Ghost」)
「I LOVE YOU」では、へっぽこアレンジのギターなのに、
気合をひしひし感じるという、不思議な現象が起きてたり。


そして、「そろそろ過去曲来るかな?」と思い始めたところに、
「Music From Twilight」。予想の斜め上を狙ってくるなーと感じました(笑)
カウントダウンしてる時、ステージ上みんな楽しそうで、こちらもつられて笑顔に。
ラスト、音が夏に溶けていくように静かに消えていったのが印象的でした。



ここらへん(だったかな?)で少し門田さんが挨拶。
この日はMCはかなり少なめで、ひたすら曲に集中している感じがありました。
そんな中で、
「こんなに一つのライブを待ち続けたのは生まれて初めての経験です」
という言葉が記憶に強く残っています。



続いて埋立地
場内にゆっくりと広がっていく張りつめた空気。
その中で、「関係者も立ち入り禁止」っていう言葉に改めていろんな考えが頭を巡ったり…
そうこうしているうちに耳に飛び込んでくる「許さない」からの怒涛の展開。
ギターめちゃくちゃかっこいいし、門田さん叫びまくるし、歌詞はいちいちひっかかるし、
なんだかもう感情が追い付いつかなくて困りました。


そしてそのまま、生み出された濃い空間を保って「Dear My Teacher」へ。
あんな複雑な感情を込めて「らんらんららん」って歌う人も曲もなかなかいないよなーと思います。
(↑字面だけだと全然雰囲気伝わらない…)
さらにさらに攻めの姿勢を緩めることなく、ハードなギターサウンドが。
初めて聴く曲だったんですが、
多分噂に聞いてた「ネギ」って曲だと思われます。
まさかあんなエグい歌詞の曲だったとは…
「Dear My Teacher」と重なる部分もあって、なんだか、
PVに出てきた教室のような、得体のしれない空間に入り込んだ…そんな気分になりました。



まだまだ続く深く濃い曲たち。
「hostia」はちょっと芝居がかってて門田さんワールド全開でした。
ラスト、「腐った魚の匂いがする」と小さく言い放って、一瞬の静寂。


そして…
そこからの…
「指輪」(!)
場内のざわつきと、門田さんの力みと、自分の感情の揺らぎと…
一気にたくさんの想いが流れ込んでくるのを感じました。


いつかここは地獄と言ったろ
それは嘘で 実はよくわからない


BURGER NUDS時代のことや、自分が初めてこの曲を聴いた頃のことを思い出す一方で、
直前の「hostia」で「そこは地獄のシステム」と歌ってたのが強烈にフラッシュバックしたり。
この日のライブ全体通して言えることですが、昔と今と(さらにその先と)が入り混じった、
なんだか奇妙にも思える世界がステージ上に広がっていました。



「久しぶりにやる曲を」と言って「Perfect nervous」
指輪でぐぐっときてるところに自分がGDHMで一番好きな曲…


いつかは心は離れて行くと知った季節 風の強い朝
駐輪場で死んでいた 猫を埋めてあげたね


このなんだかアンバランスなフレーズ。
たまらなく優しくて、たまらなく温かくて、体に染み渡るのを感じました。



さらに、余韻に浸る間もなく、
流れ出したのは「Normal Abnormal」の存在感たっぷりのベース音。
なんだか理由もなく笑ってしまったのを覚えています。うわー。って。
ラストの獣みたいに吠える部分、ぞくぞくっときました。



さらにさらに、「振り向かないで振り向かないで駆けていく心」
という門田さんの囁くような声に息をのむ場内。 
そう、まさかの
「boys in blue」
この流れ、殺す気ですか…(笑)


ギターが2本になったことによる影響を一番受けてた印象。
BURGER時代の曲とは別物、という感もありましたが、
かといって不自然さがそこにあるわけでもなく。
今の門田さんが今の自然体で歌った「boys in blue」という感じがしました。



怒涛のバーガータイムが終わって、次に来たのは「慰霊堂清掃奉仕」
さっき「15のまま」と歌ってた人(OVER 30 笑)が「17の誕生日に死ぬ計画をたてたの」と歌う。
青さを客観的に見てる一方で、その青さの中で未だに歌っている。
なんだかいいなーと観てて思いました。楽しそうだった。


続いてApple star storyS」「bit by bit」「そして列車は行く」
と、4人GDHM時代の定番曲をたて続けに。
大浪さんを加えてツインドラムでの演奏。
大地さんの視線の先にいるのが武瑠さんじゃないことに、
なんとなく戸惑いを感じたり…するかと思ったんですが、杞憂でした。
いや、正確にはどうしても違和感は存在するんですけど、
そんなこと吹き飛ばしてしまうぐらいに良かった。楽しかった。素晴らしかったんです。


「星になった君をからかった」
「ところで俺たち ある意味では異邦人さ 世界のどこでも迷子だねって」
「何が楽しいことかたまにわからなくなるけど それが悲しいことかもわからずに泣いたりしたこと」
「ちゃんと笑うよ」


全部突き刺さってうああああ(言語能力の限界…)



中盤の重苦しく研ぎ澄まされた雰囲気とはうってかわって、
終始楽しそうに演奏する門田さん&ステージ上の皆さん。
「一番最高の笑顔」って言葉がそのままはまる感じ。
「そして列車は行く」のハンドクラップはとにかく幸福感に溢れてました。
手を叩くだけで熱くなるということ。その意味。いやー良かったです。
思い出しても顔がにやける…(←危)




唯一のインスト曲、「後夜祭」
なんというか、門田さん、かっこつけてました(笑)
こういう姿を見れるのもソロならではなんだろうな、と思ったり。



大分緊張感が取れて浮かれ気分になってきたところに、
「Candle For Minority」


いろんなことが、本当にいろんなことが、記憶が、浮かび上がってきて、
一方でBURGERの音源とのイメージのずれに、ちょっともやっとしたりして。
曲を聴きながら、だんだん思考がぐちゃぐちゃになっていくのを感じて。
でも、「そうだよ笑ってた」の辺りから、全部どうでもよくなりました。
今ここでこの曲を聴けていることが、本当に幸せなことだな、と。


昨日を繰り返しながら 眠れずに朝に繋がったけど
少しだけ笑っていいかい いつも唄うよ Candle For Minority



「最後の曲です」と前置きして、「暗証番号」
正直「え?ラストに暗証番号?」って思ったんですが、これがまた…
日常の柔らかなメロディから、徐々に力が入っていく演奏。
だんだんと曲の持つ世界観が広がって行き、
終盤には、ここまでの、ある種雑多な曲たちを全部すっぽり包んでしまうような
大きくて強いバンドサウンドが、すっかり出来上がっていました。
終わらないアウトロ、そしてさらに熱を増すドラム。
そこに聴こえてくる馴染みのある、優しい歌声。


鍵をかけていたよ ずっと
とても大切な日々に ずっと
消えやしない今日のために
胸にいっぱいの薔薇を


「微笑とメロディー」或いは「記憶と記録」の大事なフレーズをここで。
これはもはや卑怯…
なんだか「してやられた!」みたいな妙な気分と共に、
たまらなく優しい気持ちになれたような気がしました。
大切な日々の、大切な一瞬。




アンコール。


門田さんだけ先に登場して、一人一人呼んで紹介していくという形に。
感謝されて照れる大地さん、マサさんの笑顔、タクヤさんに対する扱いの悪さ、
「知らないことなんもないよ」と言われて満更でもない顔の高野さん(笑)


「今回、昔の曲をあれこれ発掘して、セットリストを考えて、
 コードを思い出したりしながら、準備している時間がとても楽しかった。
 何が楽しかったって、その時の心境を思い出して、触れられたことが。」
「この曲を作った時も、今の音楽シーンってくだらねぇなぁとか思っていて、
 皆で「こんな曲1曲目に出すようなバンド他にいないよな」とか、
 ふざけて笑ったりしながら録音したのを覚えてます。」


そして、「Sweer heart of moon」
Most beautiful in the world」という作品に対する彼の思い入れを改めて感じました。
あのアルバムの中にあった奇跡的な空間はもう無いけれど、まだまだ話は続く。
そんなことを思ったり。



再び大浪さんが呼ばれて、いよいよラストのラスト。
「ドーナツ」


本当に変な曲。
何が良いんだかよくわからない曲。
わからないままに、ひたすらに抱きしめたくなるような曲。


「明日晴れたら 外に出よう ちゃんと食べて
 朝起きれたら コーヒーを飲もう ドーナツショップで」
特別なライブの最後をしめる曲のサビとしてはあまりにも単純で。
でも、そんなフレーズが、たまらなく愛しく思える自分がいました。


最後、声をからしながらギターをかき鳴らす門田さんの姿と音が、
目と耳にしっかりと記録されたのを、
たくさんの感情が入り乱れる頭の中で、確かに感じた気がしました。




セットリスト 


1. Blue Moon Shadow
2. Alice
3. Ghost
4. I LOVE YOU
5. Music From Twilight (GDHM)
6. 埋立地
7. Dear My Teacher
8. ネギ (未発表)
9. hostia
10.指輪 (BURGER NUDS
11.Perfect nervous (GDHM)
12.Normal Abnormal (BURGER NUDS)
13.boys in blue (BURGER NUDS)
14.慰霊堂清掃奉仕(Happy Birthday!) (GDHM)  
15.Apple star storyS (GDHM
16.bit by bit (GDHM
17.そして列車は行く (GDHM
18.後夜祭
19.Candle For Minority (BURGER NUDS)
20.暗証番号

en.1
21.Sweet heart of moon (GDHM)
22.ドーナツ



最後に。
出会った人たち、ツイッターで呟いてたフォロワーさんたち、
ライブに携わったたくさんの方々。本当にありがとうございました。