こんな儚い世界の中に信じた歌がある


・「革命」/andymori


革命

革命


最初は「1st、2ndほどの衝撃は無いなぁ」という感じだったんですが、
やっぱりじわじわきますね。気がつけば脳内再生が止まらなくなっています。


とりあえず、10周ほど聴いての印象は「優しい」な、と。
これまでに比べて直接的な刺や毒が減って、柔らかい表現が増えて、
温かさを感じる雰囲気が前に出てきている気がします。


「革命」というタイトルからは、挑戦的なイメージが湧きますが、
実際にはそういう力みのようなものは一切なく、
肩の力の抜けた、安心感をもたらす曲が並んでいる印象。
「なんにも考えなくていいよ」(「投げKISSをあげるよ より)
というフレーズが象徴的ですね。


小山田さんの歌詞には個人的に「虚無感」「無力感」といったものを
いつも感じるんですが、今作はそれがちょっと薄まった感じ。
正確に言うと、根っこにはやはりはっきりとそれがある気がするんですが、
今作はちょっと隠れたところに居るな、と。
どうしようもないけど、だからこそ…という、
無力故の前向きさ、みたいなものを感じました。


100回 1000回 10000回繰り返して 伝わらない 届かない想いは
100回 1000回 10000回たった後で 夜明けを待つ心に風を吹かせるんだ
(「革命」より)


革命を起こすんだ、夢を見るんだ、と誰もが祈るけれど、
すぐには何も変わらない。もしかしたら意味は無いかもしれない。
けれど、それでも祈り続けようぜ、というような、
ゆるいけれど強い想いがここには詰まっている気がします。



ドラムが後藤さんから岡山さんに変わった影響は、
良くも悪くもそこそこあるかな、という印象。
後藤さんのドラムはやはり個性的だったな、と思いますが、
岡山さんはライブで観た限り遠慮とかすることなく、
急速に馴染んで行ってる感があるので、
これから先またどんどん良くなっていくんじゃないでしょうか。


個人的にこれは!と思える必殺の一撃的な曲
(「ハッピーエンド」「1984」「SAWASDEECLAP YOUR HANDS」あたりがそれ)
が無いのがちょっと物足りなく思えたりも
するんですが、そうは言ってもやはり長く聴ける1枚になりそう。
ライブが楽しみな限りです。

いつも通りのそのテンションで肩の力を抜いて
最期の日に鳴るミュージックとダンスしようぜ
明日のために
(「ダンス」より)


明日の、ために。