この太陽は、実は偽物なんじゃないかと思う。


子守唄しか聞こえない

子守唄しか聞こえない


「子守唄しか聞こえない」/松尾依子 


心理描写が驚くほど鋭くて、
なんだか怖くなってしまうような小説だった。
曖昧な感情や、どうしようもない嫌悪感、自分に対する苛立ち。
何より、目の前に広がる光景に対する違和感。


ちょっとネット上を回ってみた限りでは
評判はあまり良くない感じ。
けれど、個人的には、
しばらく頭から離れそうにない、
なかなか大きな音を鳴らしてくれた。



・外はいつも雨


深夜になると、窓の外から特別な雨音が聞こえてくる。
何故だかいつも、そんな気がしている。