弱さのせいにして背負えない そんなちっちゃな歌 唄ってないさ

Most beautiful in the world

Most beautiful in the world



元気の出る歌、とか、やさしい歌、という言葉で賞賛される歌はたくさんあります。
そういう曲にも実際良い曲は多いですし、なくなってほしくはありません。
ただ、そういう歌だけだと何か物足りなさを感じてしまう。
そんなわけで、負の側面を歌った曲や、少し攻撃的だったり、皮肉が混じった
ような曲が一部の人たちに望まれます。そしてそれらもまた、
ずっと聴き続けるとまた別のものに取って代わられたりします。


Good Dog Happy Menの楽曲を聴いた時、最初に思ったのは、
そうした「陽」や「陰」でくくることのできない別の世界を歌っている、ということです。
少し不思議な童話のようで、でもそれは音楽でないと絶対に表現できない独特の世界。

なぁここから未来とすれば 荷物を背負う理由になるか?
一口のらないか? この朝にもううんざりし飽きたろ 

                  # (can you feel?) 〜Most beautiful in the world〜

彼らの作る音は、けっして「ロック!」という感じの熱さを感じるものではなく、
メロディが別段馴染みやすかったりするわけでもありません。
それでも、聴いていて歌詞の言葉以上の強さがひしひしと伝わってきます。
癖のあるギターにほどよく主張するベース、そしてツインドラム。
飾りのない思いが、音に乗って広がっていく、そんな曲の数々。

望むのは誰も憎まないで 生きていたい ただそれだけだった
思うほど刹那に心までは 笑わずに空を見ていた
                      # Perfect nervous

ボーカル門田さんの書く歌詞には、いろんなところに「笑う」という言葉が出てきます。
それは彼がBURGER NUDSで活動していた時から見られる特徴でした。
それは「笑えずに」であったり、「やっと笑える」であったり、「笑うのに」
であったり、いろいろな形をとって、彼の作る曲の核となっているものです。(勝手な解釈ですが)


そして、このアルバムラスト。全国版発売にあたって追加収録されたLIVE音源である、
Apple star storyS」の中で繰り返し歌われる、
ちゃんと笑うよ」という言葉。
この短いフレーズが、ものすごい力を持って曲の中で響いていました。
聴いていて、そして聴いた後も笑っていたいと思えるような歌に、初めて出会った気がします。


何が嬉しいことかたまにわからなくなるけど
それが悲しいことかもわからずに泣いたりした事
リンゴアメをかじって とても嬉しそうにする
いつも思い出すのは風に歌を乗せたりしてた素敵な事
                       # Apple star storyS

彼らの話が「ひたすら続いて」行くのに、ずっとついていきたいと思っています。



収録曲

1.Sweet heart of moon
2.Bit by Bit
3.Pretty little horses
4.Perfect nervous
5.ユートピア
6.(can you feel?) 〜Most beautiful in the world〜

8.Apple star storyS