- the pillows 20th Anniversary LATE BLOOMER SERIES 06 “LOSTMAN GO TO BUDOKAN”

見渡す限りの人、人、人。




たくさんの視線の先に広がるのは、スクリーンを含めた巨大なステージ。
そのステージの前に立って、開演を待っている、自分。
15周年のDVDを観たときから、ずっと思い描いていたことが現実のものとなって、
ライブが始まる前からもう感情が抑えきれない、そんな状態の自分がそこにいました。
(5年前は、その場所が武道館になるとは思いもしてませんでしたが)



いろいろ…本当に、いろいろなことを考えているうちに、
不意打ちのように照明が落ちて、凄まじい歓声が湧き上がって。
ステージ前に吊るされた薄い幕に映し出される三本の剣にざわつく会場内で、
なんだか1人夢を見ているような気分でした。
三本の剣が合わさって、ピロウズのロゴに変わり、
電子音が鳴って、幕が落ちて。
ギターが、ベースが、ドラムが、歌声が、聴こえてきて。


「君を待ってたんだ」


この声を聴いて、ようやくはっと我に帰って、そして実感しました。
ああ、自分は今武道館で、ピロウズの20周年ライブに参加しているんだ、と。
そして思いました。「待ってたよ」と。
そんな夢見心地の中で1曲目'''「Thank You, My Twilight」'''が終了。
武道館に入ってからここまで、ほんと一瞬のことのように思えました。


ここまで、会場内も、感動しつつもなんだか落ち着かない雰囲気…
だったんですが、続く、「My Foot」、「No Surrender」
一気に周りの(そして自分の)テンションが上がっていくのがわかりました。
踵を鳴らしてリズムを刻むバスターズ。
お揃いの夢を見てるわけでもないのに、同じように音を楽しんでいる。
そんな光景に早くもぐっと来て、言葉も出ない自分(20過ぎの男子、ひねくれてるくせに単純)


そして3曲目にして汗びっしょりになったところで、「Another Morning」
あああもう泣かせる気まんまんですかこのおっさんたちは(失礼
「耐えきれないような出来事は確かにあるけれど」のところでこの日最初の感情ぶっ壊れタイム。



そしてさわおさんMC。


「今朝!  …目が覚めたら…20年経ってました!」
「そして目が覚めても…まだ夢の中です。」
「いい夜にしよう」


15周年の時とほぼ同じ。でもやっぱりぐっとくるこの言い回し。
思わずにやにやしてしまいました。



「Wake up! dodo」「プロポーズ」
とさらに場内の熱気を高めるべく?比較的最近の曲連発。
ライブでも何度も聴いた曲なんですが、それもこの日は違って聴こえました。熱気が違う。


そのまま勢いに任せて一直線モードかと油断してたら哀愁漂う綺麗なギター音が…



聴こえるだろう 頷いてよ ふさわしい音楽が
小さくても 消えそうでも 聴こえるだろう

(by「スケアクロウ」)


聴き入りながら思わず頷いてしまったのは自分だけじゃないはず。
真鍋さんのギターのうねりが特に素晴らしく、
「そこ(スケアクロウ)に俺が賭けた膨大な時間と情熱は多分他人に説明してもわからない」
という彼の言葉が、ぼんやりと頭に浮かんだりしました。


さわおー!!」「peeちゃーん!!」「シンちゃーん!!」じゅーーん!!」
という老若男女入り混じったかけ声タイム(?)を経て、
「NEW ANIMAL」で再びテンション上げにかかるメンバー。
この日のセトリはじっくり聴かせに入ったかと思ったらテンション上げる曲って感じの並びが続いて、
なかなか落ち着く暇がありませんでした(苦笑)いや、それもピロウズらしいんですけどね。



そしてMC。


「せっかくこういうところでやるので懐かしい曲も用意してきました」
「今こうして考えてみると、今、この場にいる自分たちを夢見て作ったような曲」
「本当に久しぶりにやります」


ということで、「90's My Life」
ほとんど聴いたこと無かったんですが(ごめんなさい!)いい曲!
気付いたら自然に体が揺られてました。
続けてこれまた古い曲「僕はかけら」
気付いたら自然に体が暴れてました(笑)



で、暴れに暴れてまた油断してたら「ONE LIFE」
そしてまさかの「1989」どっちも終盤にやると勝手に思ってたので、
不意打ちくらった感じでした。


「ONE LIFE」のラスト、ドラムと歌声だけが静かに響きわたって、
「覚えてないけど  きっとそうさ」の部分で一気に音が放たれていくあの雰囲気、
何度味わっても心がすっとするのを感じます。そしてこの日のそれは特に素晴らしかったです。


そして1989。
ステージ後ろのスクリーンに映し出された「1989.09.16」の文字。
それが曲が進むにつれてだんだんカウントダウンされ、「今」に近づいて行く…
あの演出は、ずるいです。反則です。
ラストのシャウト、そして「2009.09.16」の表示、そこからのアウトロ。
武道館全体が震えるかのような雰囲気を感じました。


で、自分もそんな雰囲気の余韻に浸ろうとしてたら「サリバンになりたい」
テンション切り替えできませんって!!
この辺で、「ああ、さわおさんは自分が泣きたくないからこういうセトリにしてるんだな」と勝手に一人で納得しました(笑)


ここで恒例、メンバー紹介かねた長めのMC。



・淳さん
「今回自分は、こうしてステージ側にいるわけですが、この20周年、
自分も祝う側として、このライブ、ここからも楽しみたいと思います。」


・真鍋さん
真鍋吉明と申します」(何故か改まってます笑)
「おかげさまで、無事ピロウズも20歳の誕生日を迎えることができました。
 めでたく成人というわけです。そんな訳で、今後は大人のバンドとしてのピロウズを応援よろしくお願いします」
前も言ってましたねこの「大人のバンド」ってフレーズ。気にいってるんでしょうか(笑)


・シンイチロウさん
ピロウズも20しゅ…(言いなおしてました笑)20歳ということで、これでようやくお酒が飲めます(爆) 今まで、バンドの打ち上げとしてお酒を飲んだことはありませんでした。…個人的にちょっと飲んだりはしましたが…」
これも何回か聞いたことのあるフレーズ。気にいってるんでしょうね。というかお酒大好きなだけですねこの人は(笑)


(後ろをチラ見しながら)「えー、今回は後ろに立派なスクリーンもついてて、演出も凄いみたいで。
ステージでやってるメンバーだけが見れないという…非常に残念なことになってるわけですが
確かに…笑
「これだけお客さんがいるとですね…かな、らず…(長い溜め)
映像がえーぞーとか言い出す奴が出てくると思うんですが(爆)」
(観客爆笑or苦笑)
さわお「お前だけだろ!」
シン「そうですね。」


何ですかこのオヤジ的コントw


さわおさん
ピロウズはこの20年、ずっと隅っこの方で、内輪向けみたいな音楽を鳴らしてきたわけだが…
お前ら…内輪?(笑) そんな君たちにラブソングを!!」



てなことで「Ladybird girl」
なんだかピロウズの全てのラブソングの「君」がバスターズの事に思えてくるようなMC&演奏でした。


続いて「Funny Bunny」。盛り上がり半端なかったです。
最初のサビで自分は歌わず、合唱を促すさわおさん。一体感がもう凄いことに。


飛べなくても不安じゃない地面は続いてるんだ 好きな場所へ行こう 君ならそれができる


普段のライブでも凄いのに、ましてや武道館一杯の人達が、一つになって拳をあげ、歌っている、その熱気。
物凄く心地よかったです。思わず客席全体を見渡してしまうぐらい。
そしてその熱気を引き連れたまま「I Know You」。アリーナに地震が(笑)
定番すぎるぐらい定番の曲なのにそれでも尚盛り上がる、そのパワー。「嘘みたいなことも君なら叶いそうだぜ」


汗がやばいことになってきたところで再びさわおさんMC。




さわお「えー、僕たちは音楽的才能があるので(爆)ずっと、
こうやって武道館で満員の中やることも、当然だと思ってやってきました。」

(ファン一同、笑いながら拍手)

「僕たちは音楽的才能があるので(2度目)、曲を聴いてくれる人がいるのは当然だし、
CDが売れるのも、ライブに人が来るのも当たり前だから。
だから感謝の気持ちなんて全く持ったことはありませんでした。
ありませんでした。が、!だがしかし! 感謝しないわけないだろ!!ありがとう!!!!」


何というツ(ry  
これには場内大盛り上がり。文字通り、鳴りやまない拍手と歓声。
普通はだんだん静かになってくものだと思うんですが、
この時の拍手&歓声は、それとは逆にだんだん大きくなっていって、
拍手しながらなんだか震えてしまいました。


そんな光景の中、黙って立っていたさわおさん、
たまらなくなったという感じでその声と拍手を遮り、喋りはじめます。


「20年続けてきて、これからも続けていけば、肉体には限界が来ます。
 でも、心には、限界はありません!まだまだ。まだまだ。
 心の…これからもその深い深い部分は、宇宙のように広がっていって…
 そして、その中の暗い闇の部分に、時折、光が射す。それが、君たちでした」


そして、「ストレンジカメレオン」



もしも全てが嘘で ただ辻褄合わせで 
いつか懐いていた猫は お腹空かせていただけで
すぐにパチンと音がしてはじけてしまう幻でも
手のひらがまだ温かい



文字にしてしまえば薄っぺらいMCかもしれませんが、この流れは本当にぐっと来ました。
間奏のギターソロとドラム音の高まり、そしてラストのさわおさんシャウト、
聴きながら、なんだかあたりがスローモーションかかったみたいな感じになって、
自分の体温ばかりがやたらと熱く感じられました。(今考えると死ぬ直前の人みたいですな笑)




音がステージ上に吸い込まれるようにして演奏終了。
場内に漂う濃厚な空気。そして一息…かと思いきや「サードアイ」
…どうやらファンにも泣かせる間を与えたくないようです(笑)
そっちがその気ならってことで気持ちを切り替え、拳あげまくって大盛り上がり。


そして三度MC。



「長い間、音楽業界の端っこで、流行りもしない音楽をひたすら鳴らしてきたわけですが…
今日! …その…なんだ。(笑) この武道館と言う舞台で!何かを成し遂げることができたのか!?
出来たんだとしたら…俺は嬉しいぞ!」

「連れて行ってくれ「!この世の果てまで!」」


ここ、さわおさん、言葉に詰まって、何言いたいのかわからないみたいになってたんですが、
個人的にこの日一番のMCでした。いつもは「連れて行ってやるよ!」なのに、
「連れて行ってくれ!」ですよ。
ああもう思いだしてもうあああああういえ!(壊)


いろんなものを「投げ捨てる」思いで拳をあげました。同じ心境の人もたくさんいたはず。
ラストのドラムの盛り上がりっぷりが凄まじかったです。シンイチロウさんかっこええ…
そんな勢いそのまま、むしろ加速ぎみで「その未来は今」
まさに「立ってるだけじゃつまらなくって 僕等は走ってる」状態。
アリーナはもはやスポーツやってるノリでした。ある意味武道館…(違


そして息つく暇もなく、今月だけで100回近くは聴いたイントロが…


太陽とも解りあって虹を出せるかな 叶ったら叶ったら 綺麗だろうな
(by「雨上がりに見た幻」


え!もう??と思いましたが、後で確認したらこの時点でもう20曲やってたんですよね。
あっという間すぎて、この時になってようやく、もうライブ終盤の時間ってことに気づきました。
いろんな感情が駆け巡る中、ふと武道館の天井見上げたら、なんだか星空のように見えたのが印象的でした。


そして満を持して「ハイブリッドレインボウ」
多分こうつなげてくるだろうなーとわかってはいましたが、この「雨上がり→ハイブリ」の流れの持つパワー、
凄まじかった…途中でついた客電の下、見渡す限り両手が上がってる光景はまさに壮観。


スクリーンなんかなくても、ステージ上に虹はかかってる。そう思える演奏でした。






そしてアンコール。



15周年ライブの最初に聴いたセッションが…
これは、、「Please,Mr.Lostman。。
アンコール初っ端に持ってくるとは…いやはや。この日5度目ぐらいの感情崩壊タイム。
続けざまに「swanky street」
この日6度目ぐらいの(ry
ここまで代表曲ばかりやって来て、
さらにアンコールでバンドを象徴するような曲が2曲続けられるピロウズ凄い。凄いったら凄い。




そしてダブルアンコ。


前の3人がギターを垂直に掲げて、シンイチロウさんが決めポーズ。
分かる人には分かるこの構えは…「calvero」!!
まさかこの日やるとは思ってなかったのでめちゃくちゃテンション上昇。
もともと短い曲だけに、まさに一瞬でしたが、最っ高に盛り上がりました。


そしてMC。


さわおさん(涙をふくポーズしながら)「いやーー、さっき、危なかった!ギリッギリセーフ(笑)セーフ!」
「え…アウト? …俺もそう思うよ(笑)」
「ありがとう!」



「Ride on shooting star」で、場内のテンションこの日最高潮。
ギター振り回すさわおさん、とても40過ぎのおっさんには思えない(笑)(褒め言葉です)
最後はやっぱり「LITTLE BUSTERS」
この時の一体感、もう凄いとか通り越してただただ圧倒されました。「お前ら家族かよ」って感じ(笑)
そしてその中には、自分でも驚くほど自然に拳が上がってる自分もいました。
演奏終了した時、「今日一日で、一生分の拳あげたなー」と思ったほど。


そんな感じで凄まじい熱気と汗に包まれた中、
さわおさんが「次はもう少し小さいところで会おう(笑)」と一言残してライブ終了…




と思ってました。自分なんかは、帰りのバスが気になって、もう帰ろうとしてました。
でも「雨上がり〜」が場内に流れて、合唱する場内を観て、「これだけ聴いて帰ろう」と思いなおして…


そしたらまさかのトリプルアンコール!!


「調子に乗るなよ」とか言いつつ楽しそうなさわおさん。


そして正真正銘。今度こそラスト、「Poison Rock'n'roll」へ。
最後の最後で、最新アルバムの最後の曲をやるとは…
もう泣きそうになりながら暴れまくって終演となりました。






長々とレポ書いてきましたが、ようやく終了です。
最後にさわおさんの言葉を借りて締めさせてもらいます。



「これからだからな!」









・以下、凄く個人的な感想&雑感&小ネタなどなど。思い出したら随時追記。



・セットリスト


1.Thank you ,my twilight

2.My Foot

3.No Surrender

4.Another Morning


5.Wake up!dodo

6.プロポーズ

7.スケアクロウ

8.New Animal


9.90's My Life

10.ぼくはかけら

11.ONE LIFE

12.1989

13.サリバンになりたい


14.Ladybird girl

15.Funny Bunny

16.I know you


17.ストレンジカメレオン

18.サードアイ


19.この世の果てまで

20.その未来は今

21.雨上がりに見た幻

22.ハイブリッドレインボウ



en.1.Please Mr.Lostman

en.2.Swanky Street


en.3.Calvero

en.4.Ride on shooting star

en.5.LITTLE BUSTERS


En.6.Poison Rock'n'roll



レア曲も少なく、正直こうしてセトリだけ見ると期待してたより下?ってな感じなんですが、
あの会場内で聴いてる時は、そんなこと全く頭に浮かばないぐらい、一曲一曲の出来が良かったです。
いや、出来というより、空気とか、熱量とか、そういうもの?
ロストマンの時とかギターミスってたりもしたんですけど、全然気にならなかったです。
これはあの場にいた人しか実感出来ない類のものかと。DVDとかでは味わえないもの。



・一曲目がサンキューマイトワイライト

今になって思うと、初っ端この曲ってかなり予想外な選曲。
「もう1曲目は決めてる」って何かのインタビューで随分前から
さわおさん言ってましたが、読めないなー…



・ノーサレンダーで


「また会おう」のとこで、リズム外して客席に呼びかけるようにさわおさんが歌ってて、
客席からは「auieーー」との返事?が怒涛の勢いで起こり、凄い盛り上がりでした。



・巨大スクリーン


PV流れたり、客席が映ったり、いろいろCD使ったり、
これほんとにピロウズのライブ?って思うぐらい、なかなか頑張ってましたね。
正直「合ってないなー」と思う部分も多々ありましたが、(そういう部分は目つぶって聴き入ったりしてました)
まぁ20周年記念ってことで、よしとしましょう(笑)
1989、リトバス、(バスター君動きまくり&客席アップ)ロストマン(木に咲く星)に関してはGJ!
(何か偉そうですいません)



・物販


3時半ごろから並んで買えたのは5時半ぐらい?
凄い列でした…Tシャツ他ゲットしたんですが、ステッカーもらい忘れて涙…



・ハイブリッドレインボウの途中で客電が点く演出

個人的にRebornラストを思い出して涙腺崩壊



・アリーナA2ブロック


めっちゃ見やすくて人も少なくて最高の場所でした。
Rinkoさん、ほんとありがとうございます!!!





・声掛け


凄まじい勢いでいろんなところから声がかかってました。
黄色い声に野太い(笑)声、子供や外国の方らしき声も。
中でも小さい子供らしき声で「peeちゃーん!」との声が響いて
さわおさんが「さすが真鍋くん、幅広い層のファンをお持ちで」 と言ったのには笑いましたw



・どのタイミングだったか忘れましたが


さわおさん、衣服を整えながら「ブラジャーが…(爆)」
客「きょにゅー」なんてシーンもw


・客席で


20周年おめでとう(ありがとう?)と書かれた手作りの
横断幕かかげてる人たちがいて、ああ、いいなーと思いました。
メンバーの皆さんも気付いてた様子。







最後の最後に、ピロウズの皆さん、そして武道館にいた皆さん、このレポ読んでくれた皆さん、
本当にありがとうございました。